9月のFlyFishing

FlyFishing in Lake Akan・・Spawning

Today'sFishingData

 

使用ロッド: K-bullet 12.6f 6-4P/OrvisPM10 5-4P
   
   
使用ライン: WF6ShortHeadSpy/WF5F
リーダーティペット: 12f 3X /4X
フライ: BHOM 8# /BHON12#/

阿寒湖、秋のアメマス釣、尻駒別湾

秋の気配もかなり強くなった道東、阿寒湖畔。車内の冷気は目覚まし時間よりも相当早く僕の目を覚ませた。4時、まだ暗い湖畔のパーキングには数台の車が止まっていた。今日の釣は尻駒別川の湾でアメマスを狙う。阿寒湖でも産卵遡上目前のアメマスが、阿寒湖第一の遡上河川である尻駒別川の河口がある湾に大挙して押し寄せて、ワカサギやスカッド、そのほかの昆虫を、荒食いするのが例年、この時期。釣り方は至ってシンプルなストリーマーフィッシング、と思いきやこれが実に難しいのである。

目の前でボイルするアメマスほど釣り難い対象はいないのだ。ボイルの対象が特定できたとしよう。そうかワカサギか、それじゃぁワカサギドライを浮かべましょう。僕はストリーマーを引っぱりましょう、となるはずだ。しかし激しいライズやボイルは相当、たくさんのベイトが溢れている可能性が大なのである。つまりは偽物を食わなくたって、惜しい本物がたくさんいるのである。ワカサギへのライズ=ストリーマーではないのだ。本物以上にアピールできて、食わせるテクニックがないと、釣にはならない。1、2本釣れば良い、と言うのであれば、1日中小さめのストリーマーを引いていれば、釣れる事もある。しかし目の前のライズを見て、それで満足できる釣師がいるとすれば、それは素晴らしい(笑)未熟な僕は無理な相談だ。

ミッジが出ているからミッジにしようか、そういえば小さなカディスも浮かんでいた。こういう状況であれば釣りやすい。それは正しいシーズンと違って数が少ないからだ。本物以上にアピールできる訳だから、釣りは簡単に楽しめる。ツイ数日前はそうだったらしい。ルアー釣師は沖へ向かってスプーンをキャストして爆釣していたらしい。フライ釣師はカディスパターンのルースニングでこれまた爆釣していた、らしい。これが1週間もたてば、ミッジやカディスを食いにワカサギが入りだして、アメマスはこれらを狙う。そうなるとこれはもう手が出せない、とても難しい釣のステージが用意されているのだ。

5時過ぎに渡船で到着した尻駒別、静まり返った湖面には無数のリングが広がっていた。不思議と心に高ぶりはない。なぜならこの釣りの難しさを知っているからだ。最初にすべきこと、それはライズの特定。ワカサギであれば、難しくてもそればかりのほうが良い。しかしミッジかもしれないし、カディスかもしれない、それ全部?これが厄介だ。僕の湖のパイロットフライはBHOのストリーマー。シングルハンド9f5番に10番を結んだ。一緒に渡船した釣り人はみなルースニングだからカディスと言うことになる。

最初に反応したのは白い髭の釣師の赤いインジケーター。「きたぁ〜」と言う声と共にラインが水を切るシャァーと言う音が湖面に伝わった。ティップが小刻みに揺れて大きくロッドが曲がった。そしてまた次の釣師のインジケーターにも反応した。どうやらアメマスは表層付近を回遊しては浮かんでくるピューパを捕食しているらしい。ライスの割には反応は散発で、相当セレクティブな印象だ。3名の釣師は、複数本釣り上げているが、僕の引っぱるフライには全く反応しなかった。そこで僕はインジケーターセットのビースヘッドニンフ12番へと変えた。しかし逆光ゆえにインジケータの動きが見えない。インジケーターの釣り、といえば音別河口や沼での大きく沈むインジケの釣り、と言う印象しかない僕には、今時期の阿寒湖のアメマスの食い方が判っていなかった。

隣の釣師の「今、反応したね」と言う声のほうを見ると、その隣の髭の釣師が「えっ今のがあたりですか?」と言う。「大きく沈む場合は珍しく、今みたいに少し揺れるだけ、と言うのが多いですよ」とその釣師は言った。僕は先ほどから自分のフライを見ているが、何度か揺れてはいた。しかし沈まない限りは合わせる術がなかった。僕の拙い経験値では沈むか不自然な動きをする、と言うのがインジケ釣りだったからだ。

かすかな揺れに大きくロッドをリフトした。ティップから腕にかけて懐かしい阿寒湖のバイブレーションが伝わってきた。ほぼひと月ぶりの阿寒湖のアメマスが僕の手に横たわった。

それから数時間、ライズの適度なインターバルをそこにいる釣師全員が感じながらの釣りを楽しめたのは言うまでもない。ルースニングで8本のアメマス、ワカサギへの反応がよくなってからは、ストリーマーで5本キャッチできた。しかしバイト自体はかなりのショートバイトで相当数がばれている。「あぁ〜」だったり、「あっ」だったり、釣師の短い感動詞がいくつも響いていた。

しかしこのライズの釣りは無風に限って有効な釣であった。8時過ぎから吹き出した真正面からの風はライズも釣欲も吹き飛ばしてしまった。何とか10時の迎えまではと粘ってみたが、誰一人として鱒からのコンタクトは受けられなかった。それでも、十二分に楽しめた阿寒湖の釣ではあった。

この時期に限らず阿寒湖に流入する北岸の河川は全てが禁漁区間である。また尻駒湾への徒歩での釣行の場合、林道を使って欲しい。川を歩いて来る釣り人がいるようだが、これからの時期は産卵時期、いたるところに産卵床がある。これはアメマスの生命線である。決して川を歩いての釣はやめてもらいたい。ましてや熊の出没が頻繁な時期であり、単独での釣行は避けたいものである。