6月のFlyFishing
阿寒湖モンカゲロウの釣その2 暗い道を走り抜ける。弟子屈市内を抜けて、一路阿寒湖へ向かう。屈斜路湖は今はモンカゲがピークらしくたくさんの釣り人で賑わっているようだ。だが私にはこの湖で釣る鱒がいないような気がするのだ。私はまだ阿寒湖でやらなければいけないことがある。 3時、携帯電話の目覚ましが車中に広がった。開ききっていない眼でボンヤリと外を見た。暗いうちから数名の釣り人が支度をしているのが見えた。早朝は今年最初のボッケへ入る。 ボッケの小道を湖へ向かうとすでに5名ほどが大島側に入っている。反対の小島側には3名ほどだ。私は大島側の奥の湾どうへ向かう。硫黄山川のワンドもそうなのだが、今年は驚くくらいに湾どうが小さく感じる。「こんなに狭かったっけ?」 湾どうの反対側の葦際に私のステージがある(笑)岸から歩いてゆくと途中は胸くらいまでの深さがあるのだが、このステージに乗ると膝上くらいなのだ。そこから大島方向へキャストして行くとアメマスの回遊ルートに当たる。しかし今日はライズがない。魚っけ・・鱒の気配が感じられない。こう感じるときに鱒がつれた事はない。1時間ほどやってみたが、気分的にははずれだ。帰りがけのボッケにはすでに10名以上が釣りをしていた。 今日の渡船はヤイタイ崎へ向かう。この前の大島のイメージが残っていたから、大島へと言いたかったが、風の向きは北岸が良い様だと告げていた。イシカラや恩根内には数名が入っているようだ。フローティングラインをセットして、岸際から探ってゆく。今日は前回以上にライズがない。どうやらとんでもないくらいに読み間違っているらしかった。 その鱒はヒットした瞬間は小ぶりのアメマスくらいの反応だった。「ウグイかもな」とも思った。しかしロッドを立ててからそれは一変した。いきなり左右へ走ったかと思うと、まっすぐにヤイタイ島へ走った。ランニングラインが引き出されてゆく。ロッドを持ち替えてラインを巻き取ってゆく。一気に方向が変わって寄ってくる。急いでリールを巻いた。黒い背中が湖面で暴れている。サクラマスだ。ネットインには結構な時間が必要だった。
サイズは大きくはないのだが、その幅は60cm級に匹敵する。幅だけ見れば今年の春に海で釣ったサクラマスと同じくらいだろう。どうしてこのような体型になるのか不気味ですらある。かなり弱ってはいたが、何とか慎重に体を支えて、戻ってゆくのを待った。もちろん再生しなければキープするつもりだ。黒い点の多いサクラマスは深みへと消えていった。 その後は小型のアメマスはストリーマーにもニンフにも反応はするが、連続で食ってくるほどではなかった。モンカゲのハッチもほとんど見られなかった。10時近くにはイシカラへ移動したが、波も高くて、釣は相当シンドイ感じだった。恩根内の釣り人も、イシカラの釣り人もすでに移動していた。間違いなくこの風はアメマスを運んできているはずなのだが、ライズもない上にストリーマーへも反応しない。全くこの時期にしては渋い1日である。波が高くなければ、おそらく夕方までココに居座ったことだろうが、いかんせん私の身長ではほとんど釣になるポイントはなかった。砂浜まで移動してもそれは変わらなかった。
結局大島へ渡った。渡船で聞くと移動した釣り人はみな引き上げたらしく最初から入っている3名しかいないとのことだった。と言うことは釣れているのか、いないのか、全く判らない。3名は休憩中だった。私は前回調子の良かった中間の岬に下ろしてもらった。湖面にモンカゲの姿が見えていたがそれを食っているライズは見られなかった。シングルハンド6番で湾どうの中間方向や沖めがけてキャストし続けたが1時間ほどはあたりもなかった。2時間くらいたったときだ、突然大粒の雨が落ちてきた。 今日の釣りの終焉のようにも思えた。止みそうもない雨にさらに追い討ちの雷。大きな音が雌阿寒岳から聞こえてくる。幾分小降りになって、立ち上がると、岸際にアメマスと思しきライズ。雷ライズ雷ライズ呪文のように唱えながらロッドを手にした。今まで使っていたストリーマーからもモンカゲのニンフに変えた。もらい物のニンフは、いかにも釣れそうな匂いを放っていた。10分後には今年の阿寒湖では感じたことのないようなファイトを味わった。引き寄せるまでは間違いなく60アップだろうと思っていた。もぐる、跳ねる、走る。ランディングもかなり時間がかかった。うれしくて珍しく5枚も写したし、サイズも測った。なぁ〜ンもたった56cmさ(笑)。
30分はキャストしただろうか、再び強い反応がロッドに出た。今回も良く引く。少し強引だっがネットでキャッチした。ネットインした鱒は40台後半のアメマスだった。この頃になるとモンカゲのハッチもかなり増えて、アメマスのライズもいたるところで見られるようにはなったが、盛期に比べるとまだまだ。その後も雨中の釣を行なったが、終了間際にでた1本はかなりのファイターだった。 再び長い時間のあとにやはり大き目のアメマスをヒットした。この鱒は先ほど以上に強く大きかった。なかなかネットへ入ってくれない鱒を岸に呼び込むことにした。かなり慎重に寄せたつもりだったが岸際寸前で痛恨のブレイク。黄色味の少ないシルバー系のアメマスだった。 雨は小降りになったがその後はライズも減りだした。釣のほうはと言えば、あたりもなくて、考え込む時間ばかりが増えていった。時計はすでに5時。迎えの船が見えた。5時からのイブニングには参加しないで早朝入ったボッケへ向かった。もしかするとライズが・・・期待は裏切られた。ライズの数より人の数のほうがはるかに多いボッケの暗闇をあとにした。
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