3月のFlyFishing
十勝川の釣り いま大人気の十勝川・・こんな書き方をすると昔からだよ、とおっしゃる方も多いことだろう。が恥ずかしいことに釣師として私はあまりこの川を知らない。不思議な感じがするが、この大河でどのように釣るのかイメージが湧かなかった、と言うことがその理由。もちろんダブルハンドなどと言う選択肢がない時で6番シングルで何処を釣るのだ?と確かめないままに、対峙するのを諦めていた。この数十キロ先の音別茶路はもっと手軽に同じようなサイズが釣れたのだから、無理もないことだ。 釣仲間は古くからこの釣場へ通っていて、力強い鱒の釣行記をサイトで幾度となくアップしているし、最近では色々なサイトで登場する機会も増えている。土日などは結構な釣師が川を埋めている姿が目に付く。
昨年一度、河口でロッドを振った記憶がある。夕方のライズに手を焼いた記憶があるが、偶然立ち寄った1時間ほどのことだけに、心に残るものは何もなかった。だから今回の釣行もほんの偶然だった。宿泊した十勝で遅く目覚め、釧路までの道すがら、とあるポイントへ寄った。すでに数台車が並んでいて、釣をしている人が見える。奥の牧草地には丹頂が群れている。さらに川べりを歩くと突然、白鳥の群が飛び立っていった。そして木立に囲まれた溜りでライズを見つけた。遊び半分で準備をして川へ降りた。ライズ位置は河畔の木立が邪魔をしてフライで釣れる位置ではない。流れに立ちみ、はるか手前からライズへ流し込む方法しかない。砂地へたち込むと、数歩で腰の深さになる。「寒いわぁ〜」独り言が口をついた。
数投目に鱒の弱いコンタクトがあった。ロッドをあわせると軽めのバイブレーションを感じた。ウグイか?・・首を振るので小さめのアメマスだとわかった。寄ってきたのは30くらいのアメマス。フックを外そうとラインを手繰っていたら勝手に濁った流れに戻っていった。何とも簡単な出会いであった。しかしその後は全くの無反応で。周辺を見渡しても誰も釣れている様子はない。またこの釣場は移動する車と釣り人が多くて、落ち着かない。冷え切った体を温めるべく車へ戻った。何処へ宛がある訳ではないが、ココにいても釣れる気がしなかった。 車を走らせていると、かなり下流、河口橋の手前で面白そうな場所を見つけた。人もいないということは釣れる場所ではないということなのだろうが、広くて流れがぶつかって、堰からの流れ込みもある。こういう場所は鱒が溜まりやすいと思う。川へ入るまでは木立を抜けて、しばらく歩くのだが、いきなりオオワシとオジロワシが飛び立ってゆく。下流の十勝川河畔林は人工的な匂いがして好きではないが、鳥たちにとっては得難い環境なのかもしれないなぁなどと適当なことを考えていると川へ着いた。
期待を胸に1時間ほど降っては見たが全くといって良いほど鱒からのコンタクトもライズも見られないまま、引き返し地点へ着いた。見上げると春の空が広がっていて、紫外線で溢れているだろう光が気持ちよかった。車に戻って「カップめんぶっかけライス」を食べて、しばし思考の世界に。音別へ移動しようかなぁ・・・それにしても川が広いと言ったって、アメマスが付くポイントは ぶっつけ や 駆け上がり だしそんなポイントを探したほうが早いよなぁ・・・考え方としては正しいがその考えに行き付くまでが遅いわぁ(笑) アメマス釣師としては、ここで引き下がるのは寂れたプライドが許さない、と言うことで左岸側を徹底的に上りながらポイントらしき場所を探した。十勝浦幌水門付近のカーブが一番良かったが、壊れたブロックと堰が感じよくないので、少し上に。数百メート上がると、います!います!フライ軍団。このあたりはポイントなのか?確かに対岸からだと立ちこんで釣りやすそうなポイントです。でもそこを離れて少し走ると、私好みの なかなか良い感じ と言う場所へ出た。釣り人は奥のほうにルアー釣師がいるくらいだし。岸がせり出していてフライは厳しそうな感じだが、今はダブルフハンドと言う便利な武器もあるので何とかなりそう。
段差から降りて岸から数歩で腰の深さ。早い話がこの深さに鱒がついてる可能性が高い。右から大きな流れが入って岸にあたり直線的に流れている。この直線部分は数百メートルある。ここがすべて駆け上がりを形成していて、鱒が入っていれば、かなりの数がストックされているだろう。しばらく見ていると小さなライズがあった。見落としそうなライズだったがアメマスらしいライズだった。14フィートのロッドはスペイなどというテクニックのない私でもショートレンジのロールキャストでフライを流れへ送り出してくれる。タイプ2で底を取ってソフトなリトリーブを繰り返すと、なんとなく纏わりつく感触がある。アメマスだ、そう思うとさらにリトリーブはゆっくりとしたソフトにものなる。グッグッググ〜と言う押さえつけるようなあたりでヒットする。定位しているアメマスらしいあたりがロッドに伝わって、「やったぁ〜」と言うのではなく、妙に落ち着いた「居たね」と言葉が口をついた。 溜りを見つけたのがすでに夕方近く、日もかなり西に傾いている。何とか降りながら5本のアメマスをキャッチした。ルアー釣師が三人だと見渡せるところにくると、彼のロッドが大きくバイブレートしている。相当な大物が岸際でヒットしているようだった。後に聞くと丸々と太った72cmだったということだ。地元らしい彼は「ココはあまり釣り人が来ないポイントなのだが、鱒が溜まるポイントなのですよ、結構釣れたでしょ」と教えてくれた。私の場合は58cmが1本であとは40台モノだったが、アベレージもそこそこは出るらしい。 目の前に広がる大きな流れのホンの一部分を睨んでの釣が本流の釣と言えるかどうかは判らないが、どこの川でもアメマスの釣れるポイントは変わらないということを再認識したし、これとは別に数こそ釣れないがど真ん中の大きく太い流れに潜むビッグワンを狙うというスタイルも何ともロマンに溢れた釣ではないか、とも思わせるのがこの川の魅力ではないのかなぁと思ったね。 釣はどう転んでも面白楽しく苦しく辛い大人の遊びなのだよHigeくん!・・十勝の夕日はそう語りかけている様だったなぁ(笑) |