11月のFlyFishing
例年ならば、すでに初雪の便りはおろか、結氷のニュースが届いても驚かない頃合なのだが、届いたのは75cmのアメマスが釣れた、と言うニュースだった。あの釣場であれば、”納得できる”と釣り仲間は思っただろうし、私も当然”やったな”と思った。と同時に買い換えた車の納車の日にちが気になった。 明日納車します、と言う車屋を急かして夜、車を取りに行った(笑)。整理のついていない釣り道具を積み込んで、夜道をひたすら道東目指して走った。不思議とこの日は睡魔も襲っては来なかった。 この時期の夜明けは概ね6時くらいだ。朝日が東の空を赤く染めてゆく様は見とれていても飽きないくらいに美しく、釣りをしていても目を奪われてしまい、しばしばフライを引っ手繰る鱒をばらしてしまうのだ。だが今日の空は冷たい雨を抱え込んだアイスグレーの雲に覆われていて、美しい夜明けも見えないだろう。だから思いっきり眼下の湖面を見やった。今日の目標は控えめな75.5cmのアメマスを釣ることだ。 隣の車には76cmを目標にしたRDOH(略して申し訳ない)のHiroshi氏(笑)。車外で挨拶をしても寒さを感じないのは、この時期この地では”異常”なのかもしれない。寒いときは寒くなると言う普通こそが人間にも鱒にも、もちろん釣にも良いのは云うまでもない。明るくなるまでの数十分を氏の車で過して5時30分、準備開始。今のところはこの釣場も私たちの貸切だ。 小さな沼のポイントは点在していて、海へ流れ出す水路、インレット付近。回遊ルートとなっている小沼の水が流れ出す付近。ともかく一番の人気ポイントから始めた。早朝は鱒も岸寄りしているので、立ちこむポイントは岸から順にキャストして行く。数投目には小物が食いついてきたが、7番ダブルのピックアップでばれてしまう。しかしその後は当たりもなくライズも見当たらない。釣師は2名増えていた。 押されるように徐々に奥へと移動していった。崖下のルアーポイントのHiroshi氏を見るとロッドはしなっている。流石である。幾分気合が入ったところで奥の小川の流れ込みで良いサイズと思われるライズを見つけた。フローティングラインには12F3Xのリーダー直結のフライは8番。カウントダウンをしてからゆっくりしたストロークでリトリーブ。ごく僅かな違和感でロッドを立てるとアメマスの重さがライン越しに手元を揺らした。なかなか寄らないアメマスだが、サイズにして45cm。河口域では。くだり個体もあっという間に海の魚体へと変貌するのだ。画像に収めてリリースをしたのだが、今日は目標を達成するまで、鱒の画像はこの1本しか写さない、と心に誓った(笑)。釣り人は6名に増えていた。
時折風は吹くものの、全体には凪ている時間が多く、鏡のようになることも多い。経験上、総じてこんな日は釣り自体が低調になることが多い。釣れるパターンが絞れないまま、時々ヒット、と言う感じが沼全体に充満していた。釣り人は8名に増えているが、時々誰かのロッドが小さく曲がる程度で、1時間もあれば二桁は当たり前、と言うこの釣場の面影はない。だが誰も帰ろうとしないのは、鱒のスイッチが入ったこの沼が持つポテンシャルを知っているからだ。
各々移動を繰り返して、鱒のポイント探すが、なかなかそれを見つけることは出来なかった。最初に釣れたポイントで粘っては見ても、小型のアメマスが時折かかる程度で、少し前に降りだした雨も手伝って、気分は萎えていった。朝食をとろうと車へ戻ろうと歩いているとHiroshi氏と合流した西別川氏が気持ちよくロッドを曲げている。”正面に溜まっている”と言う言葉で少し元気が出る(笑)隣で釣らせてもらうとすぐにバイトがあった。両氏は適度に釣っている。少し移動してワンド右で釣ると私にもヒット。30から40クラスが適度に釣れる・・・この適度が曲者で、どうにもばれる事が多く食いが浅い上に相当に擦れている感じがするのだ。釣った本数はすでに1ダースは超えているのだが、精神的には惨敗のイメージが付きまとっている。
切れかかった釣欲にカンフル剤を打ち込んだのは対岸で胸までウェーディングしていたFFだった。ロッドが大きく絞られて、ランディングするのに相当の時間を費やしている光景を私たちは反対側から見ていた。後に聞くと73.5cmだった。 しかしその後、私たちに大きな変化はなく、鱒は適度に釣れて、釣師は適度に疲れて午後を迎える。期待の夕方も、それなりのバイトがあるが切れ掛かったテンションではキャッチすることもかなわなかった。車へ向かう途中、ライズを見つけて40弱の元気なアメマスをキャッチして今日の最後を迎えた。なお夕方、水路への流れ出しでは小型のアメマスが入れ係状態だったことを付け加えておこう。
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