音別川、河口のアメマス釣
多くのメディアに取り上げられて音別川、茶路川のアメマス釣はメジャーになったね。当然メジャーになることは釣り人が増える。釣り人が増えて鱒釣りが難しくなるのは、悪いことではない。しかし人が増えることでゴミが増えたり、鱒や川へのダメージが増えることは避けなくてはならない。私たち地方からこの地へ釣に行くことは、多くのインパクトを与えることになる。
釣へ行くことで地元へ貢献できるのなら、これは歓迎すべきインパクトだ。しかし逆の場合もありえる。釣が自然だけを相手にする時代は終わっている。環境や地域性などを考えて、ダメージを残さないように、この地へ足を運んで行きたいと思う。
9時くらいから水位も下がり始めて鱒の活性も上がりだしたが、連日の釣り人のラインは鱒に相当のプレッシャーを与えているようだ。比較的簡単に取れるアメマスのライズを狙っても、むなしく戻るフライを首をかしげてピックアップする回数が増える。最初の1本をとるまでに約2時間かかった。キャストレンジに出来る散発的なライズリングに相当に手を焼いた。この数年で初めて手を焼いた。理由がわからなかった。
ライズ跡にフライを打って即リトリーブ、それもスローの(笑)これで何とか1本ヒットした。フライサイズは14番。オリジナルのビーズヘッドマラブーである。鱒の色はこの時期独特の白濁したグリーンバック。河口色に染まったアメマスの背中から尾鰭に向かって無数のラインの跡が走っていた。側面にも巻きついたラインの跡があり尾鰭上部が欠損していた。2匹目もやはり同じような個体だった。
理由が判れば、釣るのは正直難しくはない。アメマスは海や湖の場合と違って回遊する個体は河口にはいない。つまり群れでいる公算が強い。群れを見つければ、あとは掴んだパターンで釣るだけだ(笑)
増えてきた釣り人を避けて対岸へわたり、適度な間隔でたくさんのアメマスを釣ることが出来た。爆釣と書かないのは釣りに費やした時間が約5時間で、最初の2時間は全くの不振だったからだ。あとの3時間は言うなれば爆だったかもしれないなぁ(笑)
音別の厳しいときの釣りのパターンについて書いておこう。
遡り、降りともに初期には気を使うメソッドは存在しない、と言うほど簡単に釣れるだろう。それがアメマス釣りの楽しさなのだから。気にせずに沈めてぐんぐん引いてこよう。しかし相当に人が入ったり、河口が閉まって鱒が滞留している期間が長くなったときなど、ライズが有っても反応しない時に出会うと、これは悲劇だ。そんな時に私はこうして攻略している。
ロッドはティップの繊細なものが良い、長さは8.6から9フィートの5か6番くらいが良いだろう。もちろんだDHでも良いがせいぜいアベレージサイズをかけて楽しめる6番くらいまでが良い。ラインは釣り位置によっても違うが、標準水位であればフローティング、今回のような満水でもシンクティップが望ましい。タイプ2タイプ3を使うのは今回のような満水で海側から岸側へキャストする場合なら良い。岸から海方向へ釣る場合は、手前側には流木や倒木が沈み、根係が頻発する。アメマスは溝状態になった川底に列を成している。海側は当然砂なので根係はしにくい(しないわけではない)のでシンキングラインでもかまわない。つまりはラインは表層を流してリーダー以下をたらす状態が良いのだ。その状態でフライを底周辺に漂わせるイメージを持つとよい。当然リーダーティペットは表層から底まで斜めに入るので長めでなければ役にはたたない。
この状態でフライを引いてくるのだが、リトリーブは極スローのショート。極力動きを感じさせないリトリーブ。泥や砂底を這わせて線を引くイメージを持つ。フライサイズは12番から14番で細めのオリーブ系。カジカの稚魚をイメージする、テールは短めだが必要。小魚でありスカッドでもあるファジーなフライ。
あたりは最初の頃は掴みにくいかもしれない。モゾモゾと「纏わりつく感じ」が追い。この時点でロッドをあげてもヒットはしないのでかまわずソフトにリトリーブ。ロッドティップを少し上げ気味にしてフライを浮かせてリトリーブ、ココで食ってくるので、ロッド全体を上げる。二段モーションのようなイメージになる。
さて大事なことだがアメマスは何処にいるのだろう。この答えも簡単なのだ。アメマスは底にいる場合が多く、同じ地点で捕食活動をすることが多い。だからライズがある地点こそがアメマスの溜まりやすい地点であり、釣れる場所なのだ。まずはじっくりと鱒のライズ地点を観察して、インターバルや大きさを確認する。釣れる場所はいつまでも釣れ続け、そうでない場所は、5mそばでも釣れないポイントなのだ。
「リトリーブさえしてればいつかは釣れる」それは間違いないだろう「ルースニングさえしていれば釣れる」それも間違いないだろう。言い換えれば釣れる時は何をしてもマッチさえしていれば釣れるということだ。だが周りが釣れない時でも自分だけはたくさん大きなアメマスを釣りたい、そう考えたときにはぜひ試して欲しい。
またアメマスについて、この時期にも遡上ものがいるだろうと言われるが、多くの場合は頭サイズに比較して体の細い降り個体の汽水順応したものだ。特徴的なのは尾鰭の色でスモルトはティップ部分が黒く、数度の降りをしているものはオレンジピンク色になっている。茶系が強い降り個体が汽水域で白く濁ることで、このような色合いになっている。総じて河口域で釣れる遡上個体の尾びれの色は白い。グリーンバックであったとしても頭部とボディの比較をして見れば判断できる。海洋生活する鱒が短期間で成長するには、捕食活動のウェイトが高い。湖や河口や川がいくら富栄養だとしても海にはかなわない。遡上個体が総じて頭部よりも腹部が発達してラグビーボール型や砲弾形になるには理由があるのだ。色やサイズだけでは判断できないが、バランスを見れば容易に判断できる。降り個体は越冬によって体が痩せて頭部だけがサイズを維持している。川で70cmの個体が海へ降って3ヵ月後に戻ったとしたら、鮭並みに強い鱒となっていることは想像できるだろう。だから遡上個体の釣りを一度でも知ってしまうと、そこからは抜けられないのだ。
ただしこれは私自身の考えであり学術的な根拠はなにもない(笑)、早い話が私の作り話であることを明記しておく。
対岸の居並ぶ釣り人の散発的な釣りを見ながら、一人で鱒を釣り続けるのは、正直嫌味すぎて大好きだ(笑)・・しかしいくら私が達人(冗談だよ)だとしても、すれまくった鱒を釣り続けることは不可能だ。春のにおいが強くなった釣場をお昼にはあとにした。対岸で一人、多数の釣れない釣り人に挟まれていたが、私と同じようなペースで釣り続けていた釣り人がいたことも書いておこう。