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ローインパクトな釣り、フライフィッシングの真実

理想的なキャッチアンドリリース(C&R)を考える



正しいCatchとRelease方法について 2000-4-23 初回掲載

いきなりお堅い話題で申し訳ないです。前回の「理想を持てない釣り人の群れ」でも触れましたが、10年前に比べてC&Rに対する評価は大きく変化しました。以前は「何かっこつけてるの!」「魚は食う為に釣っているの」「放すなら俺にくれよ」。とにかく「きどんなヨ!」状態でした。ですから実践してる人はいたものの、キープもそれ以上いたのでどんどん魚は減りました。鱒だけではなくアカハラだってキープされていたくらいだからね。しかし今、釣り場を見ると餌釣りからフライまでC&R実践している時代になっています。


私の場合は子供時分に思いっきり殺生した報いで、川の鱒族を食べることが出来なくなっていたので、FFを始めて食いたいと言う欲求が起きませんでしたので、ごくごく普通にC&Rを実践していました。でも食べたいと言う友人に対しキープをたしなめることもありませんでした。理由は簡単で、食べたい人は食べても良いと思っていたからです。いえ一度くらいは食べてみるべきでしょうね。特に釣りを始める小さな子供には、この経験は必要です。釣りを単なる遊びとして見たときに「殺す」必要はないわけです。しかし食事に出てくる魚には現実社会があって、魚を捕まえて殺して売って、買って食べると言う事実があるのです。遊びの対象の魚と、生きてゆく上での生活上の魚。違いは売っている魚には生がない、生きていたと言う証がない。何処かうそっぽい食べ物なのです。ですから、社会の犠牲になると言うこと(大げさな)の一つに生から死への現実があるということを身をもって体験することが重要なのだと思います。


釣った鱒は放すと水へ戻ってゆきますが、土の上へ放すと鱒は死んでゆくのだと身をもって知るとこ。また決してバーチャルなことでは経験できない「生を止めると言う行為」に付きまとう罪悪感と一度は向き合うべきと私は考えます。


またまた話は寄り道ですね。


しかしこのC&R、果たしてどのくらいの効果があるのか、調べるのが大変だったのです。なぜなら鱒は同じ場所にいないでしょ。季節や、天候、毎年違う環境の為に、きちっとした数値で効果が表せなかったのですね。


今年に入り北大の学生さんがこのレポートを発表して話題になりましたね。その結果確実に効果はあると言うことが数値で確認されたのです。う〜む何やらすばらしいことです。ただし、研究で重要なのはあらかじめリリースして数値に残す為に同じ方法でリリースをしていると言うことでしょう。そうしなければ比較は出来ないですからね。しかし我々に置き換えたときリリースの方法は様々で、果たして残せるリリースをしているのだろうか、キャッチの方法は正しいのだろうか、いろいろ疑問が出てきます。


じゃぁ正しいキャッチアンドリリースってあるのか?どういうC&Rが効果的なのか。ここに興味が湧いてきますね。そこで今回のタイトルになるのです。相変わらず前振りが長いですね。しかしこの効果的C&R文書化したものってないのでしょうか?。


私が知っている限りではその昔、アメリカに出来たFFF(Federation of  Flyfisher)と言う組織が会員向けに作った小冊子にそれは載っていました。私の釣りの師匠で今は亡き大阪のFFショップのオーナーから読めと言われてもらったものでした。(この組織自体の活動内容は最近のFLYFISHERMAN紙の日本版FLIES&WATERS紙で知ったのだが、停止状態にあるとのことです。)


内容は厳しいものでランディングに費やす時間から使用するネットの状態や、ハンドランディングに関する項目まで「えっこんなことまでするの?」と思ったことを記憶しています。しかし現在この冊子が手元にないので正確に書くことは出来ないのです。その後本当に小さなハンドブックみたいなものももらいましたがこれには簡単な内容が出ているだけで、これがいいやともらったのですがこれも紛失してしまいました。しかし以下のような内容だったと思います。


キャッチに関して
  • 可能な限り太いティペットを使用し、ランディングに費やす時間を短く
  • キャッチの際、ネットを極力使わずハンドランディングを
  • 極力魚体に触れないようにする
  • 魚体を水面に出さないようにする
  • ネットを使わなければいけない状況では、網目が細かく、大きく、浅めのネットを使う
  • ハンドランディングは川の水温かそれ以下になるように十分に手を冷やして行う。
  • 鰓部分には決して手を入れない。
  • 直接乾いた岩や砂にはランディングしない
  • 大量の空気を吸わせないようにする
  • 必要以上のファイトはしない
リリースに関して
  • リリースは魚体を水面に出さない、魚に触れないように
  • レバー部分は圧迫しないようにボディ下部を持つようにする
  • ボディ下部とテイル部分をソフトに持って川の上流部へ向けて垂直、水平にホールドする
  • 自力で泳ぎだすまでホールドする
  • 前後に軽くゆすって鰓の活動を促進する

これは本当に一部だったのか、こんなものだったのか、何せ読むのが嫌いなので・・その他にも
川で使ったウエーダーやシューズは必ず真水で洗って乾燥させる、細菌の繁殖と他の川への感染を防ぐ為とか。なにやら気が遠くなっていったのを覚えています。


このくらいのことは現代の釣り人の常識として実践している人も多いのではないでしょうか。それじゃ改めて書くことなんかないじゃないかと御思いの方、そうではないのですよ。これらを実践するにはそれなりのタックルと心構えが必要なのです。またこの部分へ至る為の内容も重要なのです。我々が釣りに行く場合にこの前の段階としてやっているタイイング。この時からすでにC&Rは始まるのです。


使用するフックについて
  • バーブレスが望ましい、理由は簡単外し易いのでリリースに時間がかからないから。魚体に触らずリリースできるから
  • バーブをつぶす・・同じ理由による
  • 宇鉛のウエイトを使用しない。・・回収できない場合は劣化しないし、鉛中毒が広がる恐れ(食物連鎖)がある。
果たして、毎回毎回真剣に考えたりリースをしているか、と聞かれると、曖昧である。C&Rはごく自然の流れの中でやっているのですべてを守っていると思われるのだが、?である。
自分の場合・・・釣って鱒Ed河原のタックルアンドシステム「目指せエコフィッシャー」


ヒット後の遊びは無いほうである。ロッド自体も比較的大きなものを好む、溪流用は4番の8fに5Xをメインに使っている。比較的長目のティペットは6Xが多い。


湖や河口はフローティングは5番8.6fシンキングを使うときは6番9f。リーダーは4X5Xがメイン。6Xを使うのはドライでミッジを使うときに12fをたまに使います。ティペットは良く変えます。切れるのが嫌と言うより、キャストが下手なので、「縮れる」のが多い、その割には全長18fから20fくらい使うので5回くらいの釣行で1500mを使います。そんな訳で切れるのを心配せず「ゴンゴン」引いて寄せます。


幸いなことに6X以下を使うことがないので(ミッジでも6X・・川でのミッジ経験が少ない殆ど湖のミッジ、したがってでかい16番クラスで充分)。海アメの大型を寄せるときも同じでフロロの0X、1Xで切れたことは少ない。
使うフックはドライ用にはTMCのバーブレスを使う。イマージャーやニンフ用がいちいち潰さなくてはいけないので面倒。時たま忘れてフォーセップの世話になっている。沈めるフライは基本的にビーズヘッドを使うので鉛よりはましだが、ブラス、タングステンともに劣化するのでなくなる?。


使うフライのコンセプトはとかくシンプルに細身はドライストリーマーともにで、沈めるフライは動きがあってアピール度が高いものを、浮かせるフライはナチュラルな色合いを意識する。一つのフライに多くのマテリアルを使わない、またアルコール系シンセマテリアルはなるべく使わない。今はやりのフォーム系は使わない。でも阿寒で使うモンカゲだけはTailに少し入れている・・今年はこれを改良しよう。


釣り場で注意しているのは川などで木に引っ掛けて回収できないもの。鳥などがこれに絡まないかが心配。なるべく回収するのだが6Xくらいだと切れてしまうのでティペット部分は回収できないことも多い。そこでアンダーループテクニックを使うようにしている。なんてカッコいい(笑)それではここでいよいよ本題。
これらのC&Rの方法が必要なことなのか、間違っていないのか。更にこれらのことをすると鱒は本当に生き残るのか?鱒のからだの事も含めて勉強しましょう。



バーブレスフック    2001-06-16  



タイトルのようにとてもローインパクトな釣りフライフィッシングを構成するのはそのタックルシステムによるところが大きい。特にバーブレスフックについてはとても重要なのだと思われる。フックには俗に言う「かえし」と言われる部分がある。フックポイントが鱒の顎を捕らえてテンションがあるあいだは刺さっているのだが、緩んだときのフックも抜けようとする。このときその抜けを防止するのがおもな役目のバーブなのだが、コレは刺さるときにも大きなダメージとなり、またフックをとる時にもダメージを鱒に与える。


大型の鱒の場合は顎も硬くてしっかり刺さった場合はとても抜きづらい。飲み込まれた場合などは特に時間がかかるものです。手やフォーセップを使っても取るのに費やす時間は鱒の死への秒読みのようですね。このバーブの存在は科学的にも生物学的にもダメージの根源と立証されている訳ではないのだが、こんなものは自分の口にフックが刺さっている事を考えればダメージの度合いは容易に想像できる。特にCatchandReleaseを前提にしている場合は、Releaseまでの時間が問題になる。従って素早いReleaseの為にバーブレスフックを使用したり、バーブを潰したりして使用しているのが現状である。


フックを販売しているメーカーやフックデザイナーはバランスや目的によりすべてのバーブを無くす訳にはいかないようで、発売されている殆どのフックはバーブ仕様である。ルアーについても一部のフックを除いては同様である。考えてみればメーカーも含めてフライフィッシングに関してはCatchandReleaseが歓迎されているのだが、事その重要なファクターであるフックについてはバーブが大手を振っている現状はなにやら「建前と本音」の使い分けのようでいささか嫌になるのだが。しかし我々は個人の自由としてフックのバーブを潰し鱒のダメージを少なくし、再生率を高める為に努力する。しかしバーブのポイントを潰すだけではどうやらバーブレスとは言えないようなのだ。実のところ私もラジオペンチで潰して使って、「コレは抜けがいいわい」とほざいていました。
さてそれではどのようなバーブレスフックに仕上げると良いのだろう、バーブを潰して処理をすると、ダメージを食い止めるフックが出来るのだろうか。




バーブを取り去る方法


単純にペンチなどで潰す、コレが最も一般的。潰してもこぶ状に残ったり、横方向に開いたりしてしまう。フックが入る(刺さる)穴は出来るだけ小さなほうが良いに決まっているので、こぶは良くない。最悪なのはバーブの先端部分が折れてしまったまま使う場合だ。バーブの処理を忘れてしまい釣り場などで処理するときに良くある。バーブレスにしたのに取りづらいなぁという場合は殆どこれ。ネットなどにも引っかかるので分かる。


次の方法としては目の細かいヤスリを使い削り取る。ガリガリ削り取るのだが平行にやってもゲイブ側に傷、段差を作ってしまう。やはり引っかかって抜きづらいことがある。しかしポイントも研ぎなおす事考えるとこの方法が的確、注意点は必要以上に削らない事、フックポイント全体を見て削る事。


本来は製作段階(デザイン)でこの処理をするべきものなのですが、すべてのフックを変更する事はメーカーとしても出来ないでしょう、徐々に移行してゆくのではないでしょうか。そう望みたいですね。



ネットについて


フックと同じようによく使うものにネットがある。これは鱒に直接触らないでフックのみを持ってReleaseする場合には使わないのだが、写真を写したり(私はこれをするのでネットを使用します・しかしこれは良くないんだよね)、捕食の実態を調べる為(確認作業ですね、自分のフライがいかにマッチしているのか・・ゲポッ状態ですね、ごめんなさいと思わず言ってしまいます)に胃の内容物を調べるときも一時ネットに入れますね。


しかしこのネットにもCatchandReleaseに適したものとそうじゃないものが存在します。一般にCatchandReleaseネットと呼ばれているものは黒い石油系ナイロン繊維を使用した目の細かいものをさす場合が多い。古くから使われている綿のネットは素材自体はやわらかくてよいのだが、目の大きさが鰭の損傷を招く恐れがある事や、劣化、糸切れなどにより減っています。またネット自体は深い円錐形よりも浅めの球体で立体裁断を施したものがベストですが、なかなか少ないのも事実。


自作の場合は殆ど手に入りません。長時間鱒を入れたままにしていると背骨の損傷や湾曲の原因になるし、ストレスも増えるので回復に時間がかかります。極力ネットの使用も控えたほうが良いようです。 


 鱒の再生に必要なRelease方法と撮影に関して


本当に一口にC&Rといっても内容は奥が深いものですね、それぞれの実践には理由があるのです。できればきちっと鱒が再生するメカニズムを知ってリリースしたいと私は考えています。その為には生態や構造も知らなくてはいけませんね。このアタリが勉強不足なのでもう少し勉強してから書きましょう。その前に写真について話しましょう。


釣った鱒は何とかして残したいですよね、持ち帰るわけには行きませんので写真を、という事になります。しかし鱒だってそう簡単に収まってくれる訳ではありません。バタンバタンと暴れまわり、私達に早く戻せと迫ります。はやり時間をかけてしまうと、回復が困難になりますからね。


私は画像を残す為にデジカメを使っていますがなかなか思い通の構図が出来ないでツイツイ時間がかかってしまうことがあります。その場合は5秒ほどだとそう強いダメージではないのだが、20秒も過ぎると強いダメージが出るらしい。ましてや土や岩、砂などの上ではなおさら。手で触っている場合も同じとか。基本的には水から魚体を出さないようにするのが理想的ですね。


もう一つは鱒が何らかの理由で出血した場合も相当の強い回復力がない場合をのぞいて死に至るようです。フックが外れず無理をして触っている場合はなおさら強いダメージが出るようで、フックが飲まれた場合にラインを切れと言うのはコレが理由との事です。


また人間の手には鱒の滑りをとり、さらに鱒に有害な菌が感染する恐れがあるとのこと、従って菌繁殖がないグローブなどを使用するのが理想的とか。


このように書くとCatchandReleaseの為には写真をとらないほうが良いみたいです。鱒の画像の少ないHPこそ理想のCatchandReleaseを実践している釣り人のHPに他ならないのですね。反省しますね私。そこで今開発中の秘密兵器があります。これも白石勝彦さんのパクリですが理想的な釣魚写真をとるための「C&Rコンパクト水槽」です。水槽の画像です。厚さ5mmなのでとても重いですね。しかしコレで取れる画像は生命そのものなので気に入っています。幅60cm高さ20cm奥行き10cm。溪流用に半分のサイズを検討中。3mmの厚さでいけるとかなり軽くなる。

ある組織の考え方

これから紹介するのはFederation of Fly Fishers(以下FFF)という団体・・現存するが一時期ほどの活躍はしていない。というのもこの団体が提唱した釣におけるマネジメントプランは全米中には支持されなかった事が原因ということだ。しかしながらCatchandReleaseに関しては実際に釣りをする上で必要な部分が多いと私は思っている。中には使えない部分もあったりするのだがこれは個別に判断して欲しい。

CatchandReleaseFishing

ここで紹介するのはFEDERATION OF FLYFISHERSが1984年に初版を出したキャッチアンドリリースを釣人に伝えるためのガイドブックより抜粋した内容です。このレギュレーションを広めるに当たって皆さんが正しいキャッチアンドリリースのテクニックを身につけることは大変重要なことだと思います。

Introduction

Lee Wulff、1984
かつて、我が国のワイルドトラウトの釣りは世界一といって良かったと思います。あまりにも多くの人々が、あまりにも多くの魚を殺してきたために、釣り場は荒れ放題になってきました。ヨーロッパのプライベートストリームでは、釣り場に入る事ができる人数を制限するなどの管理を通じて、釣りのクオリティを守ってきました。そして、まだそこには最高の釣りを約束してくれる最高のストリームが残っています。「魚を殺さないこと」が庶民中心である我々アメリカ人の方法でした。これはヨーロッパの貴族中心の釣とは異なった考え方です。「魚を殺さないこと」は我々の夢、たくさんのそして大きな魚を釣りたいという夢と相反するものではないはずです。将来、多くの釣人が何度も
リリースされた賢い魚を相手にすることになるでしょう。これこそ、最もチャレンジブルな釣ではないでしょうか?CatchandRelease以外にこれを実現する方法はありません。


RODERICK HAIG-BROWN,FISHERMAN'S SPRING誌、1974年
バッグリミット(訳者注:バッグに入れる制限数=殺しても良い魚の数の制限)の効能の最たるものとして、このルールが釣人のスポーツを通じて得られる喜びを阻害するものではないと言う事です。


SPORT FISHING INSTITUTE,1987年
志の高い釣人こそ、本当の釣りの楽しみを知っていると思います。釣りの楽しみとは、ストリンガー(訳者注:釣った魚を繋いでおくロープとクリップで出来た道具)の重さで量るものではなく、釣りに難しい状況を克服して手にした特別な魚によって得られるものだということです。願わくば、この貴重なパートナーをリリースしたいものです。


Alasaka,WestYelloestone,TexasのSamRayburnLake,NewYorkの小規模河川、Iceland北部に至るまでサイズリミット(訳者注;小さなさかなをReleaseするリミットもあれば、大きく育つ遺伝子を保護する為に大きな魚をReleaseするレギュレーションもある。釣り場のそれぞれの特色が興味深い)、バッグリミットが魚資源の保護に有効であった事例は少ないと思います。大きく育つ魚から釣人に釣り切られ、釣りのクオリティは下がる一方です。


CatchandReleaseのテクニックを正しく定着させることにより、魚のアベレージサイズが大きくなり、魚の絶対数が増える為に魚に巡り合えるチャンスも増えるとFFFでは考えています。
いかに素晴らしいコンセプトにも限界があるようにCatchandReleaseも万能ではありません。例えば、むやみやたらにブルーギルを小さな池に放しても既存環境を荒らすだけで良い釣りをもたらしてくれるものではありません。(訳者注;北アメリカでもブルーギルが害魚扱いなのが興味深い)。しかしながら、多くの種、ブラックバス(訳者注:北アメリカではブラックバスは在来種であることに注意)、バショウカジキ、トラウトやサーモンの仲間などを対象とする釣においてはCatchandReleaseこそ、釣りのクオリティーを高めることができるのです。


いかなる釣人でも、CatchandReleaseを行う事が出来ます。次の世代にたくさんのそして大きな魚を残す為に、我々FFFはルアー釣り、餌釣り、フライフィッシャー、全ての釣人にCatchandReleaseを勧めています。ここでいうCatchandReleaseとは「魚を殺さない」事のみならずサイズリミットやバッグリミットも含んだ考え方です。


我々の最終目的は、様々な社会的地位や年齢層の釣人たちが自律的に健全に獲物を分かち合えることであり、その方法そのものは重要ではありません。CatchandReleaseも、正しくReleaseするテクニックが伴わないと意味がありません。
この小冊子は魚をストリームに、川に、池に、湖にそして海に正しくReleaseするテクニックを解説しています。この小冊子は100以上にも及ぶ世界中の団体に対して調査した結果生まれたものです。これらの団体は、CatchandReleaseの趣旨に賛同的であることは言うまでもありません。
CatchandReleaseは本当に有効な手段です。

 


FIGHTING YOUR FISH<魚とのファイティング>

疲れきるまで魚とファイとしては台無しです。適切なパワーを持ったロッドを使い、すばやくランディング出来るようにしましょう。出来る限り太目のリーダーを使いましょう。ライトティペットを使う際は、すばやく取り込むようにしましょう。これは、冷水性の魚を水温が高い状況で釣る際、とても重要です、魚を掴む際にはショックを与えない為に、しっかりと且つ優しく。ライトタックルを使っている際には、ラインを切る勇気も必要になることがあります。 魚は注意深く取り扱うこと。時としてウィードの上を滑らせ、深みに入り困れるリスクを負いながら魚を取り込むテクニックが必要になることもあります。小さな魚は頭を水面から上げて近づいてくることもありますが、魚の口を開いた状態で引き寄せてはいけません。

LANDING A FISH<ランディング>

ランディングの際は、出来れば魚体を水面から上げずに水中にとどめたままにするようにしてください。岩の上や浅場で魚をばたつかせておくのも良くありません。ボートやフロートチューブを使用する際、あるいは大きな魚をランディングするには、ネットを使うと効果的です。しかしながら魚が小さい時やルアーにマルチフックをつけているとき等は逆効果です。小さな魚は手でランディングしましょう。ネットで魚の目を傷つけたり、魚の膚を守っている大事なヌメリを取ってしまう恐れもあります。

SALTWATER AND DEEP LAKE FISHING<ソルトウォーターと湖での釣り>

ソルトウォーターや湖の深場の魚を釣る際には、水圧差で浮き袋が膨らんでしまう事に注意が必要です。潜水病と同じ症状です。そんなときは、ピン、針もしくはナイフの先を使って、浮き袋の空気を抜くと効果が出ることもありますが同時にこの方法は魚を殺してしまう可能性もありますので注意が必要です。特にソルトウォーターでの釣では魚の息が切れる前にラインを切るのがベストです。 鮫はソルトウォーターの脅威です。掛けた魚に鮫が近づいてきたらドラッグを緩めて魚を自由に泳がせてやってください。時にはドラッグを強めるかラインを切って魚を逃がす勇気も必要です。

HOW TO HOLD YOUR FISH<魚を掴むには>

魚を掴む時には頭を下にします。尾のすぐ前の部分を優しく掴みましょう。また、縦にして掴んでも魚にダメージを与えます。鰓に指を近づけない、また目を押さえないようにしましょう。魚はおとなしくしませんし、逆に致命傷を与える恐れもあります。内臓を痛める恐れがあるので魚の胴の空洞になっている部分を圧迫しないようにしましょう。エキスパートは時としてウールや綿の手袋をはめて魚を取り扱うものです。バスを掴む際には、下顎を親指と人差し指で掴むのが良いでしょう。小さいトラウトなどは同じように掴むのが良いようです頭を下に向けると魚はおとなしくなる傾向にあるようです。この性質を利用してフックをはずす時に応用すると良いでしょう。もし魚の写真を撮りたいならば、いつもカメラをスタンバイさせておくようにしましょう。可能ならば誰かにシャッターを切ってもらうか、魚を持ってもらうようにしましょう。魚は水から揚げないようにしましょう。重さを量りたいならば、ネットに入れたままにしましょう。魚をリリースした後で、ネットの重さを差し引けば良いからです。

REVIVING AND RELEASING YOUR FISH<魚を蘇生させ、リリースする>

魚を水に投げ込まないようにしましょう。優しく掴んで水に返してやりましょう。魚を水から離す時間は最小限にしましょう。水から離す時間が長引くほど魚を殺す確率が増えます。上手くリリースするためには、魚の取り扱いと、水から離す時間が最も重要な要素です。息の上がった魚を蘇生させるには、魚体を流れの中で支えてやり、鰓が活動を再開するのを確認して、魚が元気を取り戻し、自分の体を自分の力で支えることができるようになるまで補助してやります。自分の力で、支えの手から脱出してゆく魚も見かけます。流れの緩いところで魚をリリースしましょう。浅場でリリースするようにすれば、リリース後に魚が元気をなくしても、また支えてやることが出来ます。ストマックポンプで胃の内容物を確かめるのはお奨めではありません。正しいテクニックを身につけずにストマックポンプを使うと、魚に致命傷を与えてしまう恐れがあるからです。

HOOKS<フック>

私たちはシングルのバーブレスフックの使用を強く薦めています。プライヤやフォセップスを使って、バーブを折るのも一つの手です。また、FFFではステンレスや金メッキのフックを使用しないようにも薦めています。ラインブレイクや、魚にフックが刺さったままラインを切ったような場合でも、通常のフックだと早く錆びて抜け落ちるからです。

GENERAL FISHING GUIDELINES<その他のガイドライン>

口に掛けたフックは外しやすいのですが、深く飲み込まれたフックは外すよりはむしろできるだけフックの近くでラインを切ったほうが魚に与えるダメージは少ないようです。魚が暴れてボートなどに体を打ち付けないように注意しましょう。ギャフを使う必要がある場合はリリースギャフを使ってください。ギャフは下顎を口の中から外に向けて打ってください。魚が自力で泳げるようになるまで、出来る限りのサポートをしてあげてください。


北海道の釣り場における・・・キャッチアンドリリース(C&R)の本質について

C&Rに関しての考えかたには、考える視点によって誤解が多く発生するので、C&R論争を過激なものへ導くことが多い。モラルの問題としてC&Rを論じることが多いが、C&Rとモラルは別な問題だ。鱒を食うとかリリースするとか言う論議はC&Rとは無関係で、これはマナーの問題なのだ。そして C&Rと生態系もまた別な問題だ。


日本の釣り場の状況は地域によって大きな格差はあるが、悪い状況ではあるが崩壊している例は全体には少ない、特に北海道の場合は。その判断をする前の部分にいることが多い、またはこの段階まで戻した釣り場が多いということだ。。海外、特に北米には最悪の結果「崩壊」の先進事例がたくさんある。ゴールドラッシュやインディアンの土地の開拓など道路工事や河川工事という、土地を根本から覆す事例が多く、河川の埋め立て、汚染などにより鱒が遡上しない川やいない川が急増した。しかしある時期から、学者が中心となって多くの釣人の団体や市民団体を巻き込み、河川の改修工事や、鱒を増やすための放流や保護なども積極的に行われて、改善に取り組み、今の姿が出来上がっている。


我が日本も、先進事例が当てはまる地域の増加と、特殊な河川管理方法・・・漁協・・・の河川の管理手法の一つの例として、さらには管理手法がない北海道のようなネイティブが多く存在する河川の鱒のストック方法として、いわゆる「転ばぬ先の杖」として、過去の事例を検証して、将来を予測し、現段階でできうる、最善の技法はなにか。そのひとつがC&Rの導入であると紹介されたものなのだ。したがってC&Rが完成されたものでもないし、認知されたルールでもない。成功とも間違いとも、この段階で結論付けることはできない、つまりはC&Rの是非を問うことなどできる状態に至っていないのだ。


一つだけ成果としてあるのは、正しいC&Rという行為は、鱒の寿命を伸ばすと言う意味で効果がある。結果として今までよりも長い時間に渡って、多くの釣人を楽しませることになる。方法や技術は少しずつだが確立して行くだろうから、いつかは完璧とは言わないまでも、かなり高い比率でリリース効果が現れるようになるだろう。放流されている地域では、放流量を抑えることが出来る、長い期間生きるということは成長するということなので、釣りとしての楽しみも増える。またネイティブが多い地域では、種の保存も再生産も可能性がある。こういった点においてC&Rは有効な釣り場維持の技法だろう。しかしながら、良く論じられる生態系とC&Rは無関係ではないが、重要ではないと言う事実もある。

生態系について

生態系とは宇宙に近い。川の生態系もあれば森の生態系もある。海の生態系もある。しかし広葉樹から落ちた一片の葉っぱが海の生体系を作る事もある。ひとつ、ひとつの体系が複雑に絡み合って、しがらみ、生態が形成されている。


仮に大勢の釣人が、その川全ての鱒を釣りきって持って帰ったとしても、蘇れる生態系がそこにあれば、いつかはそこに鱒は蘇る。長い年月をかけても蘇る。反面、鱒をリリースしていても、森がなくなり、河畔林がなくなり、微生物やプランクトンがなくなってゆけば、鱒はいなくなり、やがて川は死に絶える。生命の循環サイクルが途絶えてしまうからだ。


その川に鱒を放流しても、そこは死んだ川なので、再生産はできない。ここで一生懸命放流してC&Rをしたところで役に立たない場合が多い。鱒を放流する前に、やらなければいけないこと。第一歩は葉っぱが溢れる木を植えることだ。そして、豊かな森を作るように努力することだ。正しい巡回サイクルを作ることで生態系はよみがえる、何十年かかろうともだ。鱒をドジョウやカジカに置き換えたほうが、より判りやすいかもしれないね。


釣人は川や釣り場の異変にいち早く気が付く人種だ。しかし数多の釣人は、その現実から目を背け、キープだとかC&Rだとか、はたまたマナーやルール違反へ逃げ込み、結果として釣人たる自分を貶めている。 鱒を見るより川を見よう。川よりも森を見よう。そうすることで生態系と言う見方が可能になる。


C&Rの是非を問う前に、考え方を書いておこう。C&Rは特別難しいことではないし、悩むようなことでもない。犬や猫、あなたが好きなペットと遊んだあとに、頭や喉を撫でる行為の延長と思えばよいのだ。


私たち釣り人が、知らなくてはいけないこと、考えなくてはいけないこと、悩まなくてはいけないこと。それは生態系が完全に破壊されそうになっている川が、増えていると言う事実から目をそむけないことだ。その川や湖には私たちが大好きな鱒がいるのだから。