EpisodeShortStory・・ For Fishermen of Rainy Day

 

釣り場は話題の宝庫・・・短編集その1

 

 

 

「釣れる噂のフライ」


全く釣れなかった3月後半、しけた海を眺めていると、「そんなもんでなに釣るんだぁ?」と聞く声。後ろを振り向くと漁師らしいおじいさん。そんなものとはどうやらフライロッドのことらしい。「アメマスですよ」と言うと「なんだぁダービーに来たのかぁ」と言う。

島牧村の「村おこし」と言われているだけあって、皆知っているのだなと感心していると「アメマスも食えるが食って美味いのならホッケやヒラメだぁ」と言うので「コンなんで釣れますかね」と6番のサケチギョミノーを見せると、「なんだぁ、ルアーか、俺もルアーは持ってる。何でコンなんで釣れるんだろなぁ」と不思議そうな顔。

フライなんだけど・・説明するのも面倒なので頷いておく。「にしても、コナゴかぁ、コナゴの時期は4月の頭だぁ、まだ早い」と言う。自分でも貧相なサケチギョだと思っていたが、コナゴに見えたとは・・・とほっ

今後はこれをコナゴミノーと呼ぶことにしようと心に決めた。「アメマスもコナゴを食ってるんですか?」と聞くと「ヒラメもホッケもみんな食ってる」「詳しい連中はコナゴがでたらみんな釣りにくるんだぁ」「その頃にはダービーも終わって、人(フライやルアー)も減るしなぁ」

一応サケチギョのことも聞いておこうと思い「サケチギョはどうです?」と聞くと「サケチギョはコナゴの網に沢山入って困るんじゃ」と言う。

聞きたかったのは釣れるか釣れないかと言うシンプルなことなのだが、どうやら行政と漁業規則に矛盾を感じているようで「本当に困るんじゃ」と何度も言う。

サケチギョが下る時期とコナゴの発生時期が同じで、両者とも沿岸を漂うので目の小さな網に沢山入るらしい。

規則でサケチギョは取ってはいけないので取ったものは捨てるかコナゴと言い張って売ってしまうのだが、やっぱりコナゴはコナゴでサケチギョとは「味が違う」のだと言う。

とにかく困ることが沢山あるらしいが、どうにもできない僕はコナゴミノーを触っていっしょに困っていた。

すると彼も「それにしてもコンなんで釣れるかぁ」とまじまじとフライを眺めている。
釣れないから困っているんです・・・・・
                        ・・・・・沈黙が続いた。

しばらくしてタバコを一吹かしして、小さなやさしい目で笑って立ち上がると「何も釣れないなら、ウニでも持っていけ、そこらじゅうにあるから」そう言ったおじいちゃんの後ろに密漁禁止の大きな看板は立っている。

月の頭はサケじゃないコナゴミノーで釣っちゃうぞー・・・・・・4月は釣れませんでした(5月5日)


「究極のミッジ」


テレビで有名。近頃はキュートなポニーテールがお似合いのN氏は湖で「ウーリー」を良く使います。オールマイティーで何しろよく釣れます。

そのN氏が阿寒湖で「ミッジ狙いの最新ビデオ」の撮影をしたそうです。湖面を流れるミッジを見て、「数もすごいがサイズもすごいねぇ、14番くらいありそうですねぇ」と言っていたという。そして「ビシュバシュ」とすごい勢いでキャストするN氏。

ミッジにしては大きいそのフライはどういう訳か10番くらいの黒いウーリー。みんなが???と思っていると「やっぱり14番クラスのミッジのクラスターを表現するには10番のウーリーしか無いのだ」と言うスタッフの一言に回りは妙に納得していたと言う。・・・・・・・・・

我が家にもN氏のビデオが数本あるが、確かに「ウーリー」よく使ってます。確かにアトラクター的なものでは「万能」といえるでしょうね。

今年の阿寒は「ウーリーで決まり!」と思った方はビデオ買いましょう、最新型ウーリーが見れますよ。
3月25日発売のビデオです。見ましたが早く阿寒へ行かなくちゃとあせってしまう出来栄えです。


阿寒湖の大物

阿寒湖はとにかく人も鱒も多い。阿寒湖で釣れた?と聞くとほとんどの人が釣れた!と答える。いいなぁ阿寒湖は、と思う瞬間でもある。
6月のある日。車の中で遅い昼食を食べていると、ドア越しにやさしそうな顔の釣り人が「釣れました?」と聞いてくる。毎度のごとく「釣れましたよ」と返しビールをグイッと飲み干す。

車から出てアソコが良いとかココが感じるとか・・言ってない・・釣り人の会話を楽しんでいたら、そう言えばさっきS藤S痔さん(業界ではサングラスの最も似合う男。(ごめんなさいこんな「痔」使って)に会いましたよという。

恩根内のほうで釣りをしてきたようですよとも言う。恩根内には俺もいたのだが、はてそんな有名な人いたかな?恩根内。ヤイタイの崎に3人いたけど・・

長身と普通と一人は背が低くサングラス、ストーキングが上手でいつ背後に現れたのか判らないくらい・・・でもなぁキャストは他の二人のほうが上手かったようだし(すいません)。

違うなと思い、「恩根内といえば、カメラを水没させた人がいましたよ。なんだか高級そうなカメラを「ボシャ」てやってましたよ。ダメだよね、そんな高級なカメラ持ってきたら。大体、カメラで写す前に鱒釣らなきゃね!」と得意げに話した。

「S藤さんですそれ。40万くらいのカメラだって言ってました。」

翌日S藤さんをお見かけしませんでしたが、ご愁傷様でした。この時期、阿寒湖にはこんな大物が沢山きて沢山の話題を提供してくれます。それも阿寒湖の魅力。有名無名問わず釣り人ってシャイで個性的で可愛くありたいものですね。S藤さんもそんなフライフィッシャーですね。


可愛いぃー

阿寒湖、本当に良い所ですね。私、大好きです。
或年、縁があって妙齢の女性3人を阿寒湖へ案内しました。皆さんフライフィッシングウーマンです。釧路空港から阿寒湖へ向かいます。5月といえばまだまだ近隣の山や野原には雪が残っています。阿寒の森は春を待ちわびた鹿が群れで国道付近まで顔を出す事もしばしばです。車の運転にも気を使いますね。

後20分ほどで温泉街という付近でまだ灰色の毛をした子鹿(バンビ)を見つけた3人。
「キャァー!鹿、鹿よ。カワイィー可愛いぃー」などと連呼します。
「スッゴーイ、鹿〜」など意味不明な驚き方をします。

君たち鹿を見た事がないのか、しかもグレーの鹿の何処が可愛いのか・・そんなことを考えて走っているとまたまた鹿の群れ。今度は家族らしい6頭くらいの群れです。
「うキャァ〜鹿よ、シカァ〜!」すっごぉーい?たくさんイルゥー!」「ヤダぁー!鹿ァ〜」

嫌なのは私である。大体君たち幾つ?私は君たちの年齢知っているのよ、若い子じゃあるまいしいちいち驚かないで若い振りして!
そして更に温泉の付近で20頭くらいの群れが国道を見下ろしています。さらに川の付近には何10頭という群れが餌を食んでいました。
「やだぁー、鹿、スッゴオオーイ、コワァーイ」「キモォーイ!ウジャウジャイルゥー」

オイオイ「きもい」のカヨ!(サマーズ三村風に)。私としては鹿ごときに可愛いなどと10代の女の子のように、「ほざいている君たち」のほうがよっぽど「きもかった」・・イエイエ可愛かったです。


阿寒の生き物の代表のような蝦夷鹿ですが近頃はその食害が危惧されています。再生出来ないくらいに樹皮を食い荒らされて黄色い肌をさらしている木々を良く見ます。特に大雪の翌年などは顕著ですね。餌場の提供区域も増えていますが、これ以上の増加はお互いにとって良くない結果を招きそうですね。当然鹿との不意の遭遇や車との衝突など事故面の注意も必要で
 


「海でエルクはナイでしょう」


業界の超ロングティペットリーダーで有名な方が、日本海沿いの川へイワナを釣りに来た時に、川では大きなイワナが釣れなかったので「それじゃ」とか言いながら海岸へ出てエルクヘアーカディスで「海アメ」を爆釣したというのは本当でしょうか。

当然、使用したロッドは?'S3で右に左にロッドをコントロール。50cmクラスをバタバタ上げていたと言う。信じられない。

当然、同行したのはこのロッドの生みの親のM氏で、やはり彼も釣ったようだが、このロッドは使わなかったらしい。しかし彼もエルクヘアーカディス。

それ以来、島牧周辺ではエルクへアーカディスをパッチにつけているフライフィシャーに出会うと聞く。


海でエルクU・・・HPを見て。知人の回想


3月のある晴れた日、島牧は何事も無く過ぎようとしていた。・・「ボウズ」この言葉は僕の頭の中の迷路を這いずり回っている。帰り支度をしようとしたが、なんとなく道の駅裏が気になる。第六感・・そんなものがあるならとっくに釣れているってぇの・・に違いない。

青い空と青い海に懐かしい「わっか」そうライズリングではないですか!急いで近づきキャスト。信頼のミノー&スカッド。あっちでバシャこっちでバシャ。紫の体もはっきり見えますアメマス君。

30分がたってもグイという当たりはきません。そこで観察。・・・・・しかし何を食っているのかさっぱりわかりません。

「北海道の業界で有名?なエルク伝説」を試すのはこの時を置いてありません。しかし僕のこの時期のフライボックスには入っていません。大きくて似たようなものは白のウーリー(似てないってぇの)とロイヤルウルフくらい。

10番のロイヤルウルフを結びゲイブに3Xティペットで12番ウーリーでキャスト。プカプカ浮いてるフライをしばらく見ているとバシャが近づいてきます。もしやと思っていると、なんとウーリーをバシャ、くわえてしまいました。奇声とも悲鳴とも取れる声を発しながらゲットした僕の今年初めての海アメは30cmでした。

いまだに信じられん話。しかし彼の海アメ話はこれ以外聴いたことがないので本当なのだろう。

ロングキャスト


島牧ではフライロッドはダブルが圧倒的。砕け落ちるスープやヘッドを越えるためには自然な選択でしょうね、ましてや距離も出るとなれば。

しかしどこにでもチャレンジャーはいるもので、シングルだってルアーのジグのような少し重めのミノーをキャストできれば距離も稼げて沈むのも早いと考えた「やつ」がいる。

9フィートの固めのロッドにWFのフルラインはフローティングリーダーなしでサーモン用の30lbを直結。自慢の新作ミノーは光り輝いている。

かなり大き目のループでなかなかターンしないラインを無理やり掛け声とともにキャストしつづける。何とか様になってきたぞ、それシュートだっ!えいっ・・スカッ?・・・・・ガッシャー

流石に遠投には適していたようでバックキャストで放たれたミノーは駐車してある車のリアのガラスを見事に直撃。いったい何グラムのミノーだったの?泡を越えるどころか泡食った事件でした


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